海外ドラマ 『SHERLOCK / シャーロック』 シリーズ 1-1「ピンク色の研究」 から、英会話フレーズをピックアップ
アーサー・コナン・ドイル作の超有名推理小説「シャーロック・ホームズ」シリーズを、イギリスのBBCが現代版にアレンジしました。テンポのいい映像と音楽でとてもスタイリッシュなドラマに仕上がっています。
シリーズの第1作目「ピンク色の研究 / A Study in Pink」は、軍医として従軍したアフガン戦争から帰り、トラウマを抱えてロンドンで生活するジョン・ワトソンが、昔の知り合いを通じて、同じくルームメイトを探しているという変人のシャーロック・ホームズと出会うところから始まります。シャーロックは、連続自殺事件または殺人事件についてスコットランドヤード(ロンドン警視庁)から調査を依頼されます。原作として下敷きになっているのは緋色の研究。
※ 内容には、実際の会話表現と一部ストーリーが含まれます。
見る前にストーリーを知りたくないという方は、注意してくださいね。
ロンドンを騒がせている一連の自殺(または他殺)事件について、会見を開くスコットランドヤードのレストレード警部。記者たちから容赦ない質問を浴びせられ、たじたじとなります。そこに届いた携帯電話のメッセージには、こう書かれていました。
“You know where to find me.” は直訳すると「どこで私が見つかるか君は知っている」、つまり「どこで私が見つかるかわかっているね」という意味です。困っているレストレード警部を見て、自分のところに相談にくればいい、と示しています。ドラマの中の字幕は「待ってる」となっていましたが、実はかなり上から目線なシャーロックからのメッセージでした。
昔の知人から、同じくルームメイトを募集している人がいるとシャーロックに引き合わされたジョン。彼はすぐにジョンが戦争帰りだと見抜き、「アフガニスタン?それともイラク?」と質問。ろくに会話もしないうちからジョンをルームメイトとして認め、立ち去ります。変人のにおいがぷんぷんするシャーロックに戸惑いを隠せないジョンに向かって、知人が言った一言。
like は前置詞で「~のような」という意味で、He’s always like that. は「彼はいつもあのような感じだ」となります。
ベーカー街のアパートにシャーロックを訪ねたジョン。そこでのシャーロックのセリフです。こんな普通のもてなしの一言も言えるんですね!
「お茶を一杯」は “a cup of tea” と表現します。コーヒーではなくてお茶なのがやはりイギリスらしいですね。”Make yourself at home” は「くつろいでください、楽にしてください」という意味で、訪問客などに対して使う決まり文句です。同じ意味で、”Make yourself comfortable.” という表現もよく使われます。
Sherlock: A friend? 友達?
John: Or an enemy. または敵
Sherlock: Oh. Which one? どの敵?
謎の男に呼び出され、シャーロックとの関係を尋ねられたジョン。そのことについてシャーロックと会話するシーンがこちら。この謎の男、この話の最後にも現れるのですが、その正体にびっくりです。
「あなたの友達」は “your friend” とも言いますが、この “a friend of yours” という表現も使われます。こちらの方が、「あなたの友達のうちの一人、あなたのある友達」といったニュアンスが強調されます。「友達と会った」と言うと怪訝がるシャーロックですが、敵かもしれないと言うと “Oh. Which one?”(あぁ。どの敵?)と納得するのが面白いですね。which one の one は enemy を指しています。
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Sherlock: I’m fine. 大丈夫だ
事件の調査中、挙動不審に見えるシャーロックに向かってジョンがかけた言葉とその返事です。
文頭に “Are you sure …” とつけると「本当に・・・?」という意味になり、”Are you sure you’re alright?” で「本当にあなたは大丈夫?」となります。それに対するシャーロックの返答は “I’m fine.” ですが、ここで “I’m all right.” と言うと、「大丈夫だ、問題ない」という意味でも「なんとか大丈夫だ」というような少し不安な要素がにじむので、all right よりも肯定の意味(良いという意味)が強い fine を使っています。
Sherlock: Why would I do that? なぜ僕が?
John: Because you’re stupid. バカだから
犯人からの命懸けの賭けに挑戦したシャーロック。そして、二人で事件を解決した後の会話です。
“risk A to V(動詞)” で「VするためにAを危険にさらす」という意味になります。”You risked your life to prove you’re clever.” は「君は、自分が賢いと証明するために自分の命を危険にさらした」と訳されます。するとシャーロックは “Why would I do that?”(どうして僕がそんなことをするだろうか?)と答えます。ここで would を使っているのは、それ(命を危険にさらしたこと)が事実ではなく、仮定の話として話そうとしているからです。それに対するジョンの答え “Because you’re stupid.” (なぜなら君はバカだから)というのも、なんだか愛のあるセリフです。ここに二人の名コンビの誕生ですね!
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