映画 『ラブ・アクチュアリー』から、英語表現・英会話フレーズをピックアップ
クリスマスのロンドンを舞台に、19人の男女の間に繰り広げられる様々な愛の形を描いた作品です。“Love actually is all around.”(愛はどこにでも溢れている)をテーマに、ニュースになるようなものではなくても、それぞれにとって特別で大切な愛があることを気づかせてくれるこの映画は、クリスマスシーズンにぴったり。2003年の映画ですが、私の中ではクリスマス映画の名作中の名作です!
首相役のヒュー・グラントをはじめ、コリン・ファース、キーラ・ナイトレイ、アラン・ニックマンなどの豪華な英国人キャストによるブリティッシュイングリッシュの会話をお楽しみください。
※ 内容には、実際の会話表現と一部ストーリーが含まれます。
見る前にストーリーを知りたくないという方は、注意してくださいね。
Sam: No. 本気だよ
母親の死後、沈んでいる様子の息子サムに理由を聞いたところ、”I’m in love.” (恋をしているんだ)という答えが返ってきます。まだ10歳の息子の告白に対する、父親のダニエルとの会話です。
too ~(形容詞) to …(動詞) で、「…するには~すぎる」という文法表現が使われており、You are too young to be in love.(君は恋をするには若すぎる)という文を、否定形の疑問文にして、「君は恋するには若すぎるんじゃないか?」と言っています。それに対してサムは「何を言っているんだ?(そんなわけないだろ)」と言いたげに「No」と返しているのがたまらなくかわいいのでチェックしてみてくださいね(笑)。
Natalie: Thank you, sir. I’ll think about it. ご親切に 考えておきます
英国首相のデヴィッドは、気になる秘書のナタリーにプライベートについて尋ねたところ、最近別れた元彼がひどい男だったことがわかります。それを聞いたデヴィッドとナタリーのやり取りがこちら。
“I could just have him murdered.” の could は “can” の過去形で、「・・・することができる」という意味ですが、”can” よりも仮定の意味合いが強くなります。”have him murdered” は have を使った「~させる」という表現で、have A + V(動詞の過去分詞形) で「AをVさせる」という意味になります。この一文は「僕は彼(ナタリーの元彼)を殺させることだってできるんだよ」という訳になります。
ジュリエットは、結婚したばかりの夫の親友であるマークの自分への態度がいつも冷たいと感じていました。そこで改めて彼にこう言います。
would や could を用いた非常に丁寧な表現で、「もし(私たちが)友達になれたら素晴らしいわ/うれしいわ」という意味です。それに対してマークは “Absolutely”(もちろんだ)と答えますが、そこには複雑な心理があるのでした・・・。
Mia: It’s for you. あなたのためよ
会社のクリスマスパーティーでダンスをする上司のハリーと部下のミア。
ハリーのセリフは、女性への褒め言葉として使える表現です!日本ではなかなか聞きませんが、これくらいの褒め言葉は欧米では当たり前のようにかけられます。それに対してただ “Thank you.” (ありがとう) と言うのではなく、“It’s for you.” (あなたのためよ) というミアの返しは、好意を相手にストレートに伝える一言ですね。
でも今年はこう言わせて 重荷に思わず クリスマスだから聞き流して欲しい 本心を打ち明けるのがクリスマスだから 君は最高
親友の妻であるジュリエットへの恋心をずっと隠していたマーク。彼はクリスマスに思い切って家を訪れ、自分の思いをジュリエットに伝えます。その時の言葉がこちら。
来年にはゴージャスな美女と付き合っているだろうけど、と前置きした上で、今はこう言わせて・・・と切り出します。“without hope or agenda” は映画の中では意訳されていますが、without は「~なしに」という意味で、直訳すると「希望や計略なしに」となり、そのような裏の意味はなく、ただ正直に自分の気持ちを伝えたいだけだという心が表れた表現です。
クリスマスは愛する人と過ごすべきだ、と気づいたんだ
老いぼれのロック歌手ビリーが、長年連れ添ったマネージャーのジョーにクリスマスに言った一言。
realize は、「(心の底から)気づく、わかる、実感する」という意味でよく使われる単語です。直訳すると、「クリスマスは愛する人と一緒にいるべき時だと気づいた」となります。
Aurelia: Just in cases. 念のためにね
フランス滞在中、メイドとして働くポルトガル人のオーレリアに出会ったジェイミーは、ロンドンに戻ってからポルトガル語を勉強し、クリスマスにポルトガルまでオーレリアを訪ねて行ってポルトガル語で結婚を申し込みます。それに対して英語で返事をしたオーレリア。彼女もまた、ジェイミーのために英語を勉強していたのでした。
英語を勉強したの?というジェイミーの質問に、オーレリアは “Just in cases.” と答えていますが、正しくは “Just in case.” で「念のために」という意味になります。英語を学び始めたばかりのささやかな間違いですね!