映画 『リトル・ミス・サンシャイン』から、英語表現・英会話フレーズをピックアップ

それぞれに問題を抱えた家族が、おんぼろミニバスに乗って、一家の娘が出場する全米美少女コンテストの地区大会を目指すハートフルなロードムービー。家族の一人ひとりを襲う問題とそれを解決していく様子に、笑いながら泣きそうになる、本当に心温まるストーリーです。
低予算映画ながら多くの国際映画祭で絶賛され、アカデミー賞でも4部門ノミネート、2部門受賞しました。
やや過激な表現も含まれますが、日常会話ばかりなので英語の学習に向いています。また、物語のテーマに含まれる現代のアメリカ文化を知ることができる一本です。

※ 内容には、実際の会話表現と一部ストーリーが含まれます。
見る前にストーリーを知りたくないという方は、注意してくださいね。

I just want you to understand it’s OK to be skinny, and it’s OK to be fat, if that’s what you wanna be.
スリムでも太っていても別に気にしないで。オリーブの好きにしていいのよ

美少女コンテストへの道中、アイスクリーム付きのワッフルを注文したオリーブ。それに対して父親のリチャードは、アイスクリームが太る原因になると指摘します。それに対して母親のシェリルは、はっきりとオリーブにこう伝えたのでした。
want 人 to …で「人に…してほしい」と伝える時の表現です。この一文を直訳すると、「もしそれがあなたが望んでいるものなら、やせていてもいいし、太っていてもいいって、ただあなたに理解してほしいの」となります。英語で「やせている」は”skinny”という単語を使います。アメリカでは外見を気にしすぎて心を病み、摂食障害となる女の子が日本よりも深刻な社会問題として認識されています。まだ幼い娘のオリーブに対して、自分の外見に悩まないでほしいという母親の強い思いが表れたセリフです。

Does anyone want my icecream?    誰か食べる?

父親からアイスについて忠告されたオリーブは、注文したアイスが運ばれてくると食べる気が失せてしまい、みんなにこう尋ねました。
自分が注文したものや食べているものについて、「食べたい人いる?」と聞く時にはこの表現を使いましょう。「誰か私のパスタ食べたい?」なら、”Does anyone want my pasta?” となります。同じような表現で、ちょっと試してみる?味見してみる?というニュアンスで尋ねたい場合は、try という単語を使って、”Does anyone want to try my cake?”(誰か私のケーキ味見してみたい?)と言えばOKです。

Frank’s Ex: Well, it was great to see you.    会えてよかった
Frank: Yeah, you too.    ああ、君も
Frank’s Ex: Take care of yourself.    元気で
Frank: You too. Bye.    君もな。じゃあ

道中のガソリンスタンドで、偶然にも自分が恋に破れた大学院生と会ってしまったフランク。彼は自分のライバルである教授と一緒に、プライベートスパに行く途中だと話します。気まずい雰囲気をお互いに感じながら別れる際のやり取りです。
“It was great to see you.” は、「あなたに会えてよかった」という意味で、別れる際に相手に言う決まり文句です。”Take care of yourself.” も同様に別れのあいさつで、「元気で」という意味です。”Take care.” とだけ言うこともあります。相手がきちんと別れの言葉を述べているのに、”You too”(君も)と言うだけで他に言葉を返せないフランク。彼の平常心を保てないほどの傷心具合が伝わってきます。

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Olive: Am I pretty?    私、きれい?
Grandpa: Olive… you are the most beautiful girl in the whole world.
オリーブ、お前は世界で一番可愛い女の子だよ

美少女コンテストを明日に控え、ホテルのベッドに入るオリーブ。最後まで踊りを見てくれた同室のおじいちゃんとの心温まる会話です。
おじいちゃんのセリフは、「世界で一番・・・」という最上級の文法を使った一文です。「一番・・・」と表現する時は、・・・にあたる形容詞の前に “the most” をつけます。ここでは、 the most beautiful(一番美しい)となっていますね。「世界中で」は、in the world ですが、おじいちゃんはこれを強調して、「全部の、全体の」という意味の “whole” をつけて「全世界中で」と言っています。

Whatever happens, we’re a family. And what’s important is that we love each other.
何があっても、私たちは家族よ。大事なのは愛し合うこと

オリーブの美少女コンテストを誰よりもサポートしてきたおじいちゃんが、次の朝目覚めず、病院に運ばれます。おじいちゃんの死期が近いことがわかっている母親が子どもたちに言った言葉がこちら。
“whatever happens” で「何が起こっても」という表現です。覚えておくと使える言い回しです。例えば、”Whatever happens, I will not give up.”(何が起こっても、私はあきらめない)というように使えます。二文目は直訳すると、「大切なことは、私たちがお互いを愛することよ」となります。決して理想的とは言えない状況をそれぞれが抱える家族ですが、それでも家族としてお互いを愛そう、という母の強いメッセージです。

Everybody, just pretend to be normal, OK?    みんな、フツーにふるまえよ

割り込んできた車に強くクラクションを鳴らしたことから、今度はクラクションが止まらなくなってしまったおんぼろ車。ついに後ろから警察に止まれと指示されてしまいます。そこで父親のリチャードがみんなに言ったセリフがこれ。
“pretend” は「・・・のふりをする」という意味の動詞なので、”pretend to be normal” は「普通のふりをしろよ」という意味になります。でも、ふりをするということはつまり、自分たちは普通(normal)ではないと言っているようなものなので、実はかなりおかしなセリフです。

I’d like to dedicate this to my grandpa, who showed me these moves.
踊りを振り付けてくれたおじいちゃんに捧げます

ついに美少女コンテストに参加できたオリーブ。特技審査では、これまでおじいちゃんと練習してきたダンスを披露します。そのダンスのスタート前にオリーブはまずこう言います。
日本でもアーティストなどが使う「誰々に捧げます」という表現は、英語では “dedicate A to B” で「AをBに捧げる」と表します。この文の this(これ)は、これから踊るダンスのことを指しています。踊りの振り、動きは、名詞の “move” で表します。

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