<TOEIC対策にも>英語で学ぶビジネス:金融編
TOEICは、英語によるコミュニケーションとビジネス能力を検定するための試験です。TOEICのテストでビジネスの知識自体が問われることはありませんが、ビジネスの場で使われる英語が多く出題されます。また、問題文もビジネスの内容やトピックが多いため、ビジネスについての背景知識があると、問題文の内容も理解しやすくなります。
このシリーズでは、ビジネスについての知識を、TOEICに出てくる単語を交えて説明します。TOEICによく出る単語を、分野ごとに学ぶことができます。
学生などの社会人経験がない初心者にも伝わるように、できるだけ丁寧に解説していきます。
多くの人にとっては馴染みの少ない分野、金融編です。会社の経営にかかわるお金に関する単語を勉強していきます。
ここで学ぶ単語:
finance, financial, financial statement, capital, capital stock, borrow, lend, loan, debt, in debt, stock, share, investor, invest, investment, dividend, interest, interest rate, shareholder, stockholder, stock price, stock market, bond, company bond, government bond, sales, revenue, cost, expense, travel expense, profit, earnings, earn, loss, deficit, profitable, profitability, lucrative, tax, auditor, audit
はじめに、金融という意味の英語は【finance】です。日本語でも「ファイナンス」という言葉は使われていますね。finance の形容詞形は【financial】で、financial analysis で「財務分析」、financial condition で「財務状況、金融情勢」、financial institute で「金融機関」、financial district で「金融街」のように使います。TOEICで出て来る単語としては、会社の財務状況を示す書類である【financal statement】「財務諸表」があります。
会社を経営する時にお金は欠かせない要素なので、この「金融」に関する英単語はTOEICにも多く出てきます。
ではまず、あなたがビジネスを始めるとしましょう。例えば、お弁当屋さんを始めるとします。お弁当屋さんを始めるには、お弁当をつくるために必要な材料を買ったり、必要な調理器具をそろえたり、お店の場所を借りたりするためにお金が必要です。このお金をビジネス用語では「資本金」と言います。「資本金」は英語では〈capital〉〈capital stock〉と言いますが、これはあまりTOEICでは出てきません。
会社の経営に必要なお金は、自分個人のお金を使う以外で用意する方法もあります。どんな方法があるでしょうか?
思いつきやすいのは、銀行などからお金を借りるという方法です。これは、個人でもお金が足りない時や、家などの大きな買い物をする時に使う方法ですね。
お金を「借りる」は動詞の【borrow】を使います。反対にお金を「貸す」は【lend】を使います。
この「お金を借りる」ことを、ビジネスの場では「融資を受ける」とも言いますが、「融資」は英語で【loan】と言います。日本語でも「ローン」と言いますね。loan は、借りたお金(借入金)/反対の立場から見ると貸したお金(貸付金)を指す単語としても使われます。
お金を借りた場合は、「債務、負債」を抱えることになります。「債務、負債」は【debt】と言います。「負債・借金がある状態」は【in debt】で表します。
会社の場合、お金を調達するには他にも方法があります。
その1つが、「株式」の発行です。株式(または株)は、会社が発行し、「投資家」に買ってもらいます。投資家は株を買うことで、その会社に出資する(お金を「投資する」)ことになります。出資するとどんないいことがあるのか?会社は、出資してもらったお礼に、会社が稼いだ利益を株主に分け与えます。これが、「配当金」です。「株式」は【stock】【share】と言います。「投資家」は【investor】、「投資する」は【invest】、名詞形の「投資」は【investment】です。この5つはよく出るのでぜひ覚えておきましょう!「配当金」は〈dividend〉と言いますが、これはあまりTOEICでは出てきません。
投資家は、どうして株を買うのでしょうか?使わないお金を銀行に預けておく場合、今は「金利」がとても低いので、ほとんど「利息」がつきませんよね。例えば1万円を銀行に1年間の定期預金で預けても、金利が0.02%だと、1年たっても2円しかプラスになりません。この1万円でA社の株を1株買い、A社が1年に1度配当金を1株あたり100円出すとすると、100円プラスになって利回りは預金を大きく上回ります。他にも、株を持っている「株主」に対してギフト券などの優待を出す会社もあります(東京ディズニーランドを運営するオリエンタルランドは、株主用パスポートを出しています)。ここで出てきた「金利」「利息」は【interest】と言います。「金利」は【interest rate】とも言います。interest は「興味」、interestedは「興味がある」という使われ方がよく知られていますが、こちらも意味もしっかり覚えておきましょう。「株主」は【shareholder】【stockholder】と言います。
投資家がなぜ株を買うかという理由については、この配当金や株主優待もありますが、株の売買による利益を目的にしている人の方が多いでしょう。ニュースでも日々言われているように「株価」は日々変化します。「株価」は株の値段なので、【stock price】【share price】と言います。この値段は、需要と供給、つまり買い手と売り手のバランスによって決まります。ある会社の株が人気(理由は、良い業績が見込まれる等)だと、株を買いたい人が多いので株価は上がります。反対に、ある会社の株が不人気(理由は、業績が悪化した、不祥事が発覚した等)だと、株を売りたい人が多いので株価は下がります。この株の売買を行っているのが「株式市場(証券取引所)」です。英語では、【stock market】と言います。
株についての説明が長くなりましたが、会社がお金を調達する方法の1つとして、この株式があります。
もう1つの方法が、「債券」の発行です。これは、お金を借りるために発行するもので、○年度にX%の利息を付けて返します、という引換券のようなものです。会社が発行する債券は「社債」と呼ばれ、国が発行している債権は「国債」です。「債券」「社債」は〈bond〉と言い、「社債」は〈company bond〉、「国債」は〈government bond〉と言いますが、いずれもTOEICではあまり出てきません。
さて、ここまでは会社の経営のために必要なお金の調達にまつわる単語を見てきました。
次は、会社の経営に伴うお金について説明していきます。
お弁当屋さんの例に戻りましょう。1年間で、1000円のお弁当を1万個売ったとします。1000円×1万個=1000万円で、これが1年間の「売上」ですね。「売上」は【sales】や【revenue】で表します。(※厳密に言うと、本業で得る収入が「売上」【sales】で、本業以外も含めた収入が「収益」【revenue】、なので revenue > sales となります。)
この1年間に、材料費や光熱費、お店の賃貸料などの「費用」が800万円かかったとすると、このお弁当屋さんの「利益」は1000万円ー800万円=200万円となります。「費用」は【cost】【expense】で表し、例えば「旅費、出張費」は【travel expense】と言います。「利益」は【profit】と言いますが、ある期間の利益を指す単語としては【earnings】もあり、earnings announcement で「決算発表」、earnings estimate で「利益予測」のように使われます。動詞形の【earn】は「稼ぐ」という意味です。
反対に、費用が1200万円かかって売上を上回ったとすると、1000万円ー1200万円=-200万円で、お弁当屋さんの「損失」が200万円となります。「損失」は【loss】と言います。また、この「赤字」を指す【deficit】もTOEICに出てきます。
「利益」【profit】に関連してTOEICで出て来るのが、「利益の出る、儲かる」という意味の形容詞【profitable】で、profitable busines で「利益の出るビジネス」や profitable company で「高収益企業」のように使います。ちなみに「有益な、有意義な」という意味もあり、profitable conversation で「有意義な会話」というように使います。また、「収益性、利益性」という意味の名詞【profitability】も覚えておきましょう。「利益の出る、儲かる」という意味では【lucrative】という単語もありますが、こちらは上級者向けです。
最後に、会社が利益を出した場合は、その一部を「税金」として納めなくてはなりません。「税金」は【tax】です。
最後に、上記のような会社のお金に関する状況を示す書類として financial statement「財務諸表」があると冒頭で伝えましたが、このような財務記録が正しく記載されているかを調査する立場の人を【auditor】「監査人」と言います。「監査する」という動詞は【audit】です。